(今年で30ね)
(そろそろ結婚も考えないといけないわ)
(でも、わたしのまわりはださい男ばっかり)
(縁がないのかしら)
最近仕事中も
そんなことばかり
考えてしまうかすみだった。
(きっとわたしは
男がいると思われてるわ)
(でも、フリーなの)
(気になる男はいるけど、
自分から告白するのもね~)
そんなことを考えていると・・・。
「あ あの、橋本君ちょっといいかな」
上司の村田さんが声をかけてきた。
「あ はい。なんでしょうか」
私が答えると。
「今度の出張に君も一緒について来てもらいたいんだよ」
(なんでわたしなんだろう?)
かすみはそう思ったが。
「はい、わかりました」
そう言って、
上司の村田と出張の打ち合わせをした。
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出張当日
「おはよう」
「おはようございます」
「今日と明日はよろしくね」
「はい、よろしくお願いします」
二人は飛行機で札幌へ飛んだ。
札幌に着くと雪が降っていてとても寒かった。
二人はすぐに札幌の支店に向かった。
札幌支店に到着すると、
上司の村田が
「わたしは昔2年ほどこちらの支店に
いたことがあるんだ」
そう言ったので、かすみは
「そうなんですか」
とちょっと驚いた様子で答えた。
「札幌も久しぶりに来たので
この寒さはこたえるね~」
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札幌支店での仕事も終わり、
二人は近くのホテルへと向かった。
部屋に入るとすぐ、
仲居さんにホテルにある温泉を
勧められたので、
二人は準備をすまし
温泉へ移動した。
混浴風呂だった。
「ゆっくりしたまえ」
「はい、ありがとうございます」
温泉は誰もいなくて広かったため、
二人は足を伸ばしてくつろいだ。
「橋本君、僕がなぜ君を選んだかわかるかい」
上司の村田は突然そんな質問をしてきた。
かすみは少し困った顔をしたので、
村田はすかさず、
「実は君が入社した時からずっと気になっていたんだ」
予想もしていなかった言葉だったので、
かすみは驚いて、顔をそむけてしまった。
「君がよければ、僕は君といいおつきあいをしたいと思ってるんだ」
かすみはあっけにとられていた。
(なにを言ってるの)
(わたしはそんなつもりは全然ないわ)
(もう部屋に戻ろうかしら)
そうは思ったが・・・。
村田は続けてこう言った。
「橋本君、君の悪いようにはしないよ」
「1月20万でどうだ」
かすみは耳を疑ったが
かすみにとっては大金だったので、
「村田さん、わたしでいいんですか」
「うん、君がよければ。でも二人の秘密だよ」
「はい。わかりました」
話は成立し、二人しばらくして
温泉を後にした。
部屋に戻ると食事の用意が出来ていた。
二人はお酒を飲みながら
札幌の海の幸を楽しんだ。
「橋本君、さあもっと飲んでいいんだよ」
かすみは村田の勧められるままに
日本酒を飲んだ。
かすみはお酒は強い方ではないので、
しだいに気分が悪くなってきた。
「村田さん、少し横になっていいですか」
かすみはたまらずそう言って、
横になってしまいました。
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気がつくとかすみはふとんに横になっていた。
しかしなんとなく不自然に感じたかすみは
上にかかっているふとんをどけてみると、
なんと素っ裸だった。
「いや~どうしたのわたし」
隣を見ると、村田は熟睡していた。
(なにがあったのかしら)
(わたしの下着はどこ)
(もしかして村田さんに犯されたのかしら)
ふと横をみると、枕元にお金が置いてありました。
(なにこれ~)
(20万あるじゃない)
(村田さんこういうことなの~)
お金を確認していると、
メモ帳が下に落ちました。
(あれ)
メモ帳には
「かすみ君これからもよろしくね」
そう書いてありました。
それを読んだかすみは複雑な気持ちだったが、
お金を見ると、文句を言う気にはなれませんでした。
(こういうのもありかも・・・)
(村田さん、こちらこそよろしくお願いします)
かすみにとって今回の出張は
自分が女であることを再確認できた。
とても実りのある旅でした。
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